あなたは今、自分がしている呼吸が

「腹式呼吸」か「胸式呼吸」か

どちらの呼吸法を行っているか解りますか？


「腹式呼吸」...ボイストレーニングにおいては

この呼吸法を耳にしない事はないと思います。

誰しも「腹式呼吸」で歌を歌いたいと思っているはずです。

でも果たして自分が「腹式呼吸」を行っているのか？

疑わしいと思っている人も少なくないはずです。


「腹式呼吸」か？「胸式呼吸」か？

簡単にチェックできる実験を説明したいと思います。


まず椅子に背筋をまっすぐにして座ってください。

それから息を吸ってください。

その時のあなたの肩をチェックしてみてください。

肩のラインが

息を吸った時　上がり

息をはいた時　下がる...

このように肩が上がり下がりするような状態の時

あなたは「胸式呼吸」を行っている可能性があります。

鏡を見ながらやってみて下さい。

はっきりとわかるはずです。

何も意識せずにこの実験をしてみると

たいがいの人はこの肩が上がり下がりする「胸式呼吸」を

行っていると思います。


それではどうしたら肩が上がり下がりせずにいわゆる「腹式呼吸」が

出来るようになるでしょうか？

この問題に悩む前に次の事をやってみましょう。



先程の実験のように椅子に座ります。

でも今回は背筋をまっすぐに伸ばさずに

上半身を４５°位に傾けてください。

その状態のまま胸に息を入れていく「胸式呼吸」をしてみましょう。


胸に息を入れていく...この事が難しく感じたら...

体操の時に息を吸っている時

レントゲン写真を撮る時、息を吸っている時

このようなシチュエイションを思い浮かべてみて下さい。

そうすると胸に息を入れていく「胸式呼吸」が出来るはずです。


上記のように上半身を４５°位に傾けて

胸に息を入れていく「胸式呼吸」出来ましたか?

では今度はお腹に軽く手をあてたまま

同じように「胸式呼吸」やってみましょう。


その時あなたのお腹はどうなりましたか？

あなたの手がお腹が膨らんでいくのを感じたはずです。


胸に息を入れていく「胸式呼吸」をやっているのに

お腹が膨らむ...「腹式呼吸」になっているはずです。


では今度はやはり上半身を４５°位に傾けながら

胸にではなくお腹に入れていくイメージを持って息を吸ってみて下さい。

どうですか？

先程より更にお腹が膨らんだはずです。


「腹式呼吸」...要するにお腹に息を入れていけばいいんだ、と

思っていても実際にはなかなかうまくお腹が膨らまない、

と悩んでいた人も少なくないと思います。

難しい事は考えずに上記の方法で出来るだけお腹が膨らむように

トライしてみましょう。


上半身を４５°位に傾けた状態で充分お腹が膨らむようになったら

徐々に上半身を起こして４５°位に傾けた状態と同じ大きさにお腹が膨らむように

試してください。


最終的には背筋をまっすぐにして座った状態でも

４５°位に傾けた状態と同じ大きさにお腹が膨らむ事を目指して下さい。


あなたの体が「お腹が膨らむ」ことに「慣れる」よう頑張ってください。

「声」を出す前にまずは「息」だけの状態で

「腹式呼吸」をあなたの体に慣れさせてください。

「声」の時の「腹式呼吸」については次回以降に説明していきたいと思います。

頑張ってください。

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