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Newberrysound Vocal Clinic

Vol.12 喉に負担をかけない口の開け方



先日「ASAYAN」でレッスンを行いましたが、今回に限らずオーディション等の
審査に関わる時思う事はやはり「うまい歌」より「大きい歌」という事です。
何もオーディションのために歌を歌う必要もありませんが私は自分にしか
出せない声、自分にしか歌えない歌、自分しかできない自己主張、
それが歌だと信じています。
だからそれを伝えようとするとやはり「大きい歌」である事がとても重要だと
思います。
より大きいスケール感を持って「あなたにしかできない歌」を目指して
頑張ってください。
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多くの方は

「歌う時は口を大きく開けて歌いなさい。」

と小さい頃から聞かされてきた事と思います。

この事体は間違っていないと思います。
でも「口を大きく」と聞くとほとんどの人がより大きく開けようと
顔を上向きにして口を開けられているはずです。

ちょっとこれをやってみましょう。
口を大きく開けて顔を上向きにしてみて下さい。
その時あなたの喉の状態はどうなっていますか?

思った程喉は開いていない事に気がつくと思います。
それどころか逆に塞がっている感じがしませんか?
また喉、首に意外な程に力がはいっている事にも気がつくはずです。
下手をしたらカラオケなどで高い所をうたっていて喉に筋をたてて
苦しそうに歌っている人にも近い印象を受ける人も少なくないはずです。


「歌う時は口を大きく開けて歌いなさい。」

小さい頃から聞かされてきたこの事は間違いなのでしょうか?

けっして間違いではありません。
ただ少しだけ説明を加えなければいけませんが....

「口を大きくあける」目的は「喉を開く」という事が
大きな目的のひとつなはずですが残念ながら
「口を大きく」という説明だけでは「喉を開く」という目的を遂げる
には不十分です。
もうひとつ「口を大きくあける」時に意識して頂きたい事があります。

それは口を開けている時の顔の角度です。
あごの支点を軸に口を上には開かず下に向かって開けてみて下さい。
変な例えですが何かに驚いて

「空いた口が塞がらない」または
「ガチョーン」というような形容があてはまる程
あごが下がっている状態がよいと思います。

どうですか?

顔を上向きにしていた時より喉が開いているはずです。

これからは「口を大きく開ける」に付け加えるというより
単純に「空いた口が塞がらない」「ガチョーン」
何でもいいですから「あごを下げる」という事を意識してみて下さい。



実はこの「あごを下げる」そして「喉をひらく」という事はそんなに難しい
事ではありません。
実は皆さん毎日といっていい程実行出来ている時があります。

それは「あくび」をしている時です。
どんなにお上品な人であっても「あくび」の時は尋常ではない程
大きく口は開きまた喉の奥まで見えそうな位喉も開いているはずです。

「あくび」は人間にとってとても自然で必要な生理現象です。
だのに普段では考えられない程、口、喉が開いているのです。
「歌」の中にこの自然な、口、喉を持ち込まない手はないです。


まずは「あくび」をしてみましょう。

とは言っても急に「あくび」が出来る人は余程の睡眠不足の人でもない限り
余りいないでしょう。
その変わり変な言葉ですが「疑似あくび」をしてみましょう。
「あくび」を想定して何度か口を大きく開けてみます。
何度か繰りかえしていると本当のあくびが出そうになります。
これも睡眠不足の人なら割りと簡単にできると思います。

あくびが出るその瞬間に「Ah-/アー」と言ってみましょう。
ここで注意して欲しい事は絶対に「Ah-」は歌わないで下さい。
「Ah-」はその口を作るか単純に「言う」事を心掛けて下さい。

最初は「音」を作るのは難しいかもしれませんが
それでも喉は普段あなたが歌っている時とは比較にならない程
開いているはずです。
また出てくる「音」も大きいと思います。

コンスタントに上記の事が出来るようになったら
今度は意図的に「あくびの口」が出来るようにします。
いつでもあくびと同じ口が出来るようにするのです。

ここでは鏡を使っての練習をお勧めします。
私のレッスンでも同じ事を生徒さんにやってもらいますが
『「あくびの口」と同じ口をやってみてください。』と言うと
皆さん自分では「あくびの口」をやってるつもりになるのですが
「あくびの口」とは全然違いとても上品な口をされる事が多いです。
鏡の前でまずあくびをして「あくびの口」を確認し、それからそれと
同じ口を再現できるようにします。

話は少し変わりますが世界3大テノールのドミンゴが歌っているのを
見られた事がありますか?
ある人は思い出して下さい。彼の口を。
「あくびの口」に非常に近い事に気付くはずです。

あくびの口で「Ah-」ができるようになったら
あなたが今まで普通に歌っていた「Ah-」と比べてみて下さい。
どうですか?
今まであなたが何の疑問も持たず出していた「Ah-」が
あくびの口の「Ah-」に比べるととても苦しそうにいかにも
喉に負担がかかって出てくるような印象を受けると思います。

楽に出来るから正解、今までやってきたやり方だから正解とは
限らない事があります。
スポーツでも結果的には正解と言える方法であったとしても
最初はとてもやりずらかったり難しかったりする事があるように
歌においても同じ事がいえると思います。
もちろん歌を歌う時いつでも「あくびの口」で歌える訳ではありません。
だからこそ普段練習してる時こそは別の「口」を体に馴染ませなければ
いけません。
ただここで作ろうやろうとしている「口」は初めてでもとても特殊なもの
ではないはずです。
毎日一度は必ずやっている「あくび」と同じだという事を忘れないで下さい。

この事は今回の「喉に負担をかけない口の開け方」に限って言える事ではありません。
「歌」「声」「音楽」は何も特別で特殊なものではありません。
普段あなたが日常普通にやっている事と同じで問題にはちゃんと答えやヒントが
あります。その答えやヒントを日常生活からも見落とさずに注意深く、興味深く
吸収していきましょう。

「Ah-/ア」が出来るようになったら他に
「エ」「イ」「オ」「ウ」でも同じ事をやってみてください。
必ず効果があります。

(C)2001 SAGE KOIZUMI / Newberrysound
http://www.newberrysound.com
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